B弾実験



課金記念に露天で小金を稼ぐ。
最近の露天界では、祝福やら細い糸を大量に売り捌くのがトレンド。
この流行にはエルフ以外の別種族が絡んでいそうだった。
店先に立ったものの、5分で寝る。





そんなワケで課金し、課金早々小金を手に入れた。
エルフはニヤニヤと金を見つめていた。


その目を横に滑らすと、画面右下に目的のブツが浮かびあがる。






緊急脱出爆弾、略してB弾。
課金対象者に与えられる破壊兵器。


やたら派手。
やたら跳ね飛ばす。


課金したのは、このB弾を使うためといっても過言ではなかった。
このB弾さえあれば、楽してタイトル手に入るんじゃね?
そう思い立ったからだ。






近代兵器を用いる事で「一発で熊を倒した」称号を自身の力無くして入手する。
具体的に言えば、計画はそんなところだった。
爆弾とかこうなんていうか、凄くタイムリーですよね。



ニダの技術を集約した爆弾を手に、エルフはしたり顔で熊を見つめた。
へっへ、ぶっ殺してやるぜ。


















無理でした。















熊に千切れるくらい殴られ倒れていたところ、薬草発見。
練習段階の薬草学では、これを見つけることは不可能だったと記憶。
これもエルフ特権?



抜いてみたものの「手がすべった」称号を得るばかりだった。













深夜、1chの銀行前に本物の強盗団が直立。
気持ち悪いくらい全員そっくりだった。
名前まで同じで、右から番号が振り分けられていた。
しかも点滅していた。




ログアウトするまで、ずっと彼らを見つめていた。

サラマンダー




「お選びくだない」


現地訛りに苦戦しつつ、ウルラで出稼ぐ砂漠のエルフ。
ヒルブリンは笑顔で祝福ポーションを渡してくれる。
資金難のエルフは、したり顔でそれを受け取る。
円滑極まりない仕事関係だった。






相棒の便座を走らせ、故郷フィリアにトンボ帰り。
大陸移動を使い、ダンバートンの聖堂に駆け込むのもいい。


昔は一日に一度しか手に入らなかった祝福ポーション
今じゃ二回も手に入る機会があるなんて、世の中変わったね。
エリン始まったね。










お選んでないことに気付く。
















そんな夕暮れ。
落ち込んでいたところに「今、蟻穴で遊んでる」と友人が漏らした。
それを出来るだけ笑顔で邪魔するべく、砂漠の地下迷宮へ。


地下迷宮は、いい思い出が無い場所だった。
主に、道に迷ったエルフを先導中に落下していた。
涙ながらに大陸移動ボタンを押していた。


今日は違う、友人を探しにいくのだ。





友人は居なかった。
でも何か居た。
彼は噂に聞くサラマンダーという生き物に違いない。


サラマンダーはエルフを見やると、鼻息荒くしたり顔で呟いた。


「チッ、所得の低そうな顔だなオイ」


ムカッときて喧嘩売った。






ひいごめんなさい。






壮絶な戦いは、まるで「ダルマさんが転んだ」を彷彿とさせた。
「死んだふりで30秒稼ぎ、ハイドでタゲ外して撃つ」
エルフが持ちうる最も卑怯な戦い方で、徐々に彼のHPを削っていく。


理論上、絶対に死なない戦法だった。
数え切れない程死んだ。







ぜぇ、ぜぇ
とんだ道草を食ってしまった。
さて、友人は何処かな。






「ダンバもどりまー」






あ、はーい。

「砂漠エルフ」生態のまとめ

G5にて実装された砂漠のエルフ。
その生態とは。






□身体的特徴


エルフ頭 : 人間には無い髪形や帽子を扱う事が出来る。
エルフ顔 : 人間には無いパーツを使用出来る。パーツと色の数は人間に劣る。
エルフ耳 : やたら尖っている。
エルフ体 : エルフは鉄の装備(重鎧など)を装備する事が出来ない。
エルフ手 : 取得可能なスキルにあまり相違点は無いものの、異なる特性を持っている。
エルフ足 : 走行速度は人間の約1.5倍。これは蛇類などの走行速度に等しい。






□能力的特長



エルフはレンジアタックによる射撃の際、一度の標準で二発の矢を射ることが出来る。
照準は一度なので、外した場合は二発とも外れる。クリティカルは一発ごとに判定がある。



エルフは人間とは異なり、弓の種類問わずレンジアタック中に走ることが出来る。
照準は50%まで溜まり、止まると50%から標準再開する。

○マグナムショットの場合
普通弓 : 準備時間中に歩くことが出来る。照準中はその場に留まる。
クロス : 準備時間中に歩くことが出来る。準備完了するとその場に留まる。

○サポートショットの場合
普通弓 : 準備時間中に歩くことが出来る。照準中も歩きながら50%まで照準可能。
クロス : 準備時間中に走ることが出来る。照準中も走りながら50%まで照準可能。



エルフは馬上射撃をすることが出来る。
馬上では弓系スキルに限り、通常と変わらぬ運用が可能。



エルフは独自アクションとして「ハイド」を持つ。
持続的にマナを消費して、姿を消す。
ハイド中はスキルなどが使用出来なくなる。
戦闘後30秒間使用不能







□人間との致命的な相違点



エルフは弓を扱うことに優れた種族であり、それは固有する能力から明らかである。
しかし、スキルランクによる能力上昇値と消耗APは人間に劣る。
能力上昇は人間の約半分、消耗APは約二倍であると言われている。



弓を扱ううえで最も重要といわれるスキル「アローリボルバー」が取得出来ない。
また、G3までのストーリーをこなすことも不可能であることから、パラディンになることも出来ない。






□エルフと人間の違い、その活用



レンジRank1

エルフ
準備時間300ms
必要AP 30
消費スタミナ5(2発分で5なので1発2.5)
遠距離攻撃最大ダメージにボーナス15点追加
遠距離攻撃最小ダメージにボーナス10点追加
照準速度200%

人間
準備時間800ms
必要AP 20
消費スタミナ2
遠距離攻撃最大ダメージにボーナス25点追加
遠距離攻撃最小ダメージにボーナス10点追加
照準速度300%




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(エルフスレより引用)






弱い弱いと言われるものの、実際使ってみるとなかなかに面白い。
弓師を未経験の方は、新しい楽しみになるのでは。